茂木健一郎『ひらめき脳』
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/04/15
- メディア: 新書
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「脳」の話は好きだけど、最近の「脳ブーム」みたいなやつはなんか胡散臭く感じてしまう。萩尾望都がらみで一応読んでみたが、意外に私の好みにはハマる本だった。「アハ!体験」は、脳内のドーパミンと深く結びついていて、「一発学習」を可能にし、「発見」を生み出す力を持っているということだ。それは「理性」だけを称揚し、「感情」を貶める近代教育のパラダイムを気持ちよく打ち破ってくれる。前にも書いたかもしれないが、自転車に乗れるようになる、とか、泳げるようになるとか、逆上がりができるようになるとかいう経験はすごいんだ。人生で一回きりの大イベントだ。それらは、一度できるようになったらずっとできる。学校の勉強も常にそういうものだったらいいのにね。でも、かんがえてみれば、4月に新しい数学の教科書を買ったときには、いくら読んでもわけのわからない記号だらけの呪文書みたいなものだけど、一年たったらその意味がわかり、問題も解けるようになっているというのはすごい「アハ!体験」だよね。でもなんで学校で勉強しているときにはそう感じないのかな?何か学校というもののあり方が間違っているのですかね?
ともあれ、気軽に読めて面白いのでオススメの本です。初めに載っている「アハ!ピクチャー」だけでも結構楽しめるので図書室で見かけたら手にとって見てください。