あってはならないこと

木曜日は早退してしまったので全校集会の様子とか詳しい状況はわからないが、事故のことは本当に痛ましく、あってはならないことだと思っている。一瞬の出来事が、目撃した人も含めて心に大きな傷を残し、重傷を負った人にはこれから先の人生を違ったものにしてしまった。原因は運手者の不注意らしいが、根はもっと深い所にあるような気がする。
犯人が逃げたのは無免許だったからだろうが、人にけがをさせておいてそのままほっておくというのはモラルや人間としての情が欠如しているとしか考えられない。それは犯人一人の問題ではなく、今の日本の社会全体が(耐震強度偽装やら何やら)モラルを軽視していることの一端でもある。学校や会社の中で「競争原理」ばかりが重視され、助け合いとか、他者の人格を尊重するとかいうことが二の次になっている。自分さえよければいいとう人間が増えたとしても不思議はない。
また、「自動車」という道具のあり方にも問題がある。車はたしかに便利なものだが、乗る人間によっては「走る凶器」に変わる。拳銃一丁よりも殺傷能力は遙かに高い。それを自覚しないどころか、「走る」ことに酔ってしまう人間すらいる。近代社会では「スピード」が美徳とされ、車のCMでも「走りの性能」が謳歌される。年間で五千人を越える人が交通事故で命を落としているのに、そんな風潮を野放しにしておく社会の責任は大きい。安全運転をもっと訴えることを考えて欲しい。
ただひとつ救いを感じたのは、3年生のあるクラスで千羽鶴を一生懸命折っている生徒たちがいて、理由を聞いたら「おなじ柏南の生徒なんだから当たり前じゃん」と答えたことだ。そういう気持ちを持ったままでずっと生きていって欲しいと思った。
けがをした人が元気になって、笑顔を取り戻せることを心から祈っている。