『向日葵の咲かない夏』読了

向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏

 福井晴敏で久々にミステリーも面白いかもしれないと思わされ、書評でもよさそうだったので読んでみた。確かに面白いよ、というか超絶技巧だ!後半からは「え〜?え〜!うそ!」のもの凄い展開だ。でも「ううむ」と納得させられてしまうのだ。ネタバレは絶対許されないので、紹介は簡単に。主人公は小学4年生のミチオ君。その夏、町内では次々に口に石鹸を押し込まれ、足の骨を折られた犬や猫の死体が発見されていた。一学期の終業式の日、欠席していたS君の家に夏休みの宿題を届けに行った。そこで見たのは、縁側で首をつっているS君の死体だった。震える足で学校に戻ったミチオ君にその事を聞いた担任の岩村先生は、警察を呼んで現場に向かうが、そこに、死体は、なかった。一体死体はどこに消えたのか?S君は本当に自殺したのか?謎が深まる中、ミチオの前にS君が現れるがその姿は……。そして言った「僕は自殺したんじゃない。殺されたんだ。早く死体を探して。」協力を約束したミチオにの身にも危険が迫る。早く謎を解かなければ自分も狙われているのだ…。この気持ち悪さが心地良いなあ。子供が主人公というのもよい。私が読みたいと思うのはこんな感じなんだ。本格とかは絶対に読まない。論理的なやつほど嫌いなんだ。ホラーが好きな人にはオススメ。