つめが甘い

 古典講読の授業で『源氏物語』をやっています。しかも、教員になって初の「若紫」です。基本的に私は大学では近代文学が専門だったので、古文・漢文はどっちかというと苦手です(だからといって、現代文がすごい得意というわけでもないのですが…)。そういうわけで授業の準備は欠かせません。いつも教員用のいわゆる「指導書」の役を参考に調べていくのですが、たまにそれが間違っていることもあります。今日「伏籠の内にこめたりつるものを。」という部分を調べていて、「指導書」には「ものを」は終助詞と書いてあったのですが、文法テキストで調べたら「接続助詞」の所に載っていました。だから、「や〜い、又間違っている。」と思って、授業では自信を持って接続助詞として説明しました。すると、終了後にTさんが「私の辞書では終助詞になっているんですけど」ええ!自分の辞書も調べてみたら確かに終助詞も載っていました。しかも、今日やった部分が例として載っているのです。が〜ん。「今度訂正するから、ごめんなさい」とて逃げるがことく往ぬ。あとで文法テキスト調べてみつるに、文の最後に置かれ、詠嘆の意味を表す場合は終助詞と書きてありぬ。物事は細部まで確かむること、いと大事なり。(でも、ここは倒置になっていると考えれば接続助詞でもいいじゃん…だめか)