盆踊りの夢幻

[その他]
夜、子供にせがまれ近所の「光ヶ丘祭り」に行った。ほどほどに人が集まり(もちろん浴衣姿の人も結構いる)、踊る人たちのほとんどは揃いの衣装で、日頃の練習の成果を見事に発揮しているおばさんたちだ。辺りが暗くなる頃、四方に連なったチョーチンの明かりと、周囲に立ち並んだ高層マンションの灯火が、広場をやけに幻想的な空間として浮かび上がらせた。(自分がビールなんかちょっと飲んだせいかもしれないけど。)あと何十年かたっても、夏が来ればこうやってみんな集まって、踊りと祭りをやっているんだろう。最後の花火をみながら、何となく、その頃自分は三途の川の向こうからこういう光景を眺めて、懐かしがっているのかなあ、なんて思った。生きている人は自分の楽しみのために踊っているんだろうが、それと同時に、そこにはいなくなった人たちを慰謝しているのかなあという気もする。不思議な感じだ。「きよしのズンドコ節」が繰り返し繰り返しかかっていたが、彼の声には何だか、魂に安らぎを与える作用があるんじゃないかと思えてきた。