制度、並びに、呪い

盗み聞きした(別に盗聴じゃなくて普通に聞こえてきたんだけど)ところによると、校長先生がまた気がかりなことをおっしゃっていたようだ。ある先生が子どもの就学児検診(小学校に入る前に健康や発育の状態を調べるもので、来年度小学校に入学する子どもは必ず受けなければならない)の付き添いで休暇を取ろうとしたら、校長先生に注意を受けたそうだ。話は遡る。女性教員でお子さんがいらっしゃる人は、とても大変だ。学校の仕事は男性並みにこなし、家に帰れば育児家事がどっと肩にのしかかってくる。子どもが病気になれば保育園では預かってくれず、家に子どもを残しておけるはずもなく、大概おかあさんが有給休暇を取って面倒を見ることになる。その間、学校の仕事はストップし、自分の持ち休暇もどんどん減っていく。そんな状況が当たり前のように最近まで続いていたのだから、学校というのがいかに旧弊で、男女共同参画社会とはほど遠い職場であるかということは明らかである。しかし、やっと最近、教育委員会も重い腰を上げ、組合の熱心な活動家の先生方の交渉のおかげもあって、「子の看護休暇」という制度ができた。年に5日というはなはだ不十分なものだが、それさえなかった時と比べたら格段の進歩である。子どもの病気、検診、必要な予防接種、学校(保育園)行事への参加であれば取得できるということで、まあ、やっと一歩踏み出したのかなあと思っていた。ここで話は戻る。校長先生によれば、「3歳児検診は看護休暇でいいけど、就学児検診は認められないから有給休暇で行って下さい」とのこと。え〜、何で?どういう理屈?校長先生も女性だから制度も十分御存知、女性教員の大変さも十分ご承知と思いきや?だって、そうでしょ。高校の生徒だって就職に必要な健康診断は公欠で行けるんだよ。まさか、5歳の子どもは一人で検診に行けるわけ無いんだから、付いていく親が有給休暇使うという理屈がわからない。あるいは校長先生の判断としてはOKと思っているのに、更に上、教育委員会がそれを認めていないということなのか?そうだとしたら何が「共同参画」だ、このまま少子化がどんどん進んで、上の人たちはもう墓の中で安楽にしているだろうけど、生きている国民はどうなるっていうんだよ。ジェンダーの片方に、犠牲と加重負担を強いる社会を維持しようとする者たち、オレはお前等を呪う。他に何もできないから、ただ呪う。誰か、教えて欲しい、もし他に、何かできることがあるのなら。