今日の1年生のロングの時間は避難用降下装置(布製の筒の中をすべり降りるやつ)を実際に使う訓練だった。下から見上げると、4階から垂直に垂れ下がったそれ(私は斜めに降りるやつしか見たことがなかった)はなかなかスリリング。で、実際に降り始めるとこれが結構難しい。筒の中は螺旋状になっていて降りる速度を遅くする仕掛けになっている。しかし、まず先が全然見えない狭い空間で、安定した姿勢・速度で降りてくることが難しいのがネック。途中で勢いがつき過ぎて急に減速すると、筒全体がかなり大きく揺れる。校舎の壁に近いところに設置されているので、何度もぶつかりそうになっている人がいた。(あと駐輪場の屋根の方も危なかった)そして、姿勢を保てなくなると、足がもつれてしまったり、お尻から先に着地して、結構「ドスン」と地面にぶつかった人もいた。それから、螺旋の中を回転することで、グルグルと目が回ってしまい、着地した途端、立ち上がれなかったり、真っ直ぐ歩いて着地場所から離れようとしているのに、ふらふらとあらぬ方向に歩いてしまっているのも笑いを誘っていた。
私なんか、高所恐怖症の上に、回転に弱いから使用を拒否したい。(高校の時に全校でやらされたから斜行式の方はなんとかなるんだけど)ていうか、万が一本番で使うようなことがあったら、役に立つのだろうか?
こういう時、生徒の方が本質を見抜いている。まず体験者の一言、「この人数で、これだけ時間がかかったら、燃え広がっちゃって避難間に合わないよな。」まさしくその通り、体験できたのはクラスの人数の十分の一でしかない。これを全員でやったら、30分×10で300分(5時間)かかる計算。もう全焼か鎮火している。次々に滑り降りて時間短縮をしようとすれば、下でふらふらになっている人の上に次の人が落ちてきて激突、筒はたちまちつまり、けが人続出。業者の人には悪いけど、実用的ではない、と私には思えるのだが。
 そして、全部終わった後、見てるだけ組のY君がポツリと言った。「この時間、僕たちにとって意味無かったですよね。」たしかに、見ているだけでは何の効果もない。やるなら全員やるべきだよな。ただ、時間の問題と、安全性の問題でそれはちょっと難しい。私が高校の時も、これやって足骨折した(しかも両方)やつがいたし、急いでやったらもっと危ない事態が起こる。まあ、しょうがないよね、多少は無駄なことでも付き合って下さい。(あ、お尻着地のMさん、大丈夫でしたか!お大事に。)