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- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/04/22
- メディア: 新書
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(ちなみにこの人の評論はときどき大学入試の問題に使われたりする)
おおざっぱに言うと、筆者は戦後の日本を、「理想の時代」(1945〜70)「虚構の時代」(70〜95)「不可能性の時代」(95〜)に三区分する。それは現実の対極にあって、それを規定するものがそのようにうつりかわってきたからだと言う。そして現在は、「他者抜きの他者」を求める一方で、暴力的な「現実」に逃避することで閉塞感から抜け出そうとするという分裂した傾向が現れていると指摘している。そうした傾向から脱却するための指針を示そうとしている。
まあ、こう言うと小難しい話に聞こえるが、岩波新書にしてこんなに、サブカルチャーに話を持って行っていいのというくらい、おたくやアニメや「美少女ゲーム」まで持ち出して論を進めている異色な評論なのである。まあ、メインはオウム真理教や酒鬼薔薇や連続幼女殺人事件などの分析なのだが、それだって随分センセーショナルな事件ばかりだ。しかも、普通の評論によくありがちな、同じことをくどくどと難解な言葉で繰り返すという展開ではなく、一本道で結論まで持って行くという明快な流れで書かれているので、あきることなく読み通すことができた。ただ、ちょっと他の人の論に(大塚英志とか、東浩紀とか)寄りかかりすぎてるかな、という感はあるが、本来学問とはそういうものなのか。
そういうわけで、おすすめです。
(取り上げられている作品)
浦沢直樹『20世紀少年』
大江健三郎『取り替え子』『憂い顔の童子』『さようなら、私の本よ!』
松本清張『砂の器』
水上勉『飢餓海峡』
森村誠一『人間の証明』
村上春樹『羊をめぐる冒険』『1973年のピンボール』
竹熊健太郎『私とハルマゲドン』
ダルデンヌ兄弟監督『ある子供』(映画)
山崎貴監督『ALWAYS三丁目の夕日』(映画)
メル・ギブソン監督『パッション』(映画)
新海誠監督『ほしのこえ』(アニメ)
パトリック・ジュースキント『香水――ある人殺しの物語』
桜坂洋『All You Need Is Kill』
ゲーム『AIR』
ゲーム『ひぐらしのなく頃に』
舞城王太郎『九十九十九』
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- 作者: 田中哲弥,大森望,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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編者は大森望・日下三蔵
- 小川一水「グラスハートが割れないように」
- 山本弘「七パーセントのテンムー」
- 田中哲弥「羊山羊」
- 北國浩二「靄の中」
- 円城塔「パリンプセスト あるいは重ね書きされた八つの物語」
- 中原昌也「声に出して読みたい名前」
- 岸本佐知子「ダース考 着ぐるみフォビア」
- 恩田陸「忠告」
- 堀晃「開封」
- かんべむさし「それは確かです」
- 萩尾望都「バースディ・ケーキ」
- 福永信「いくさ 公転 星座から見た地球」
- 八杉将司「うつろなテレポーター」
- 平谷美樹「自己相似荘(フラクタルハウス)」
- 林譲治「大使の孤独」
- 伊藤計劃「The Indifference Engine」
私も昔は結構SF読みだったけど、最近はイマジネーションが衰えているのでしょうか?最初の方、ちょっと居心地悪い感じがした。でも岸本佐知子のエッセイでちょっと笑えて、その後の「星新一トリビュート」シリーズで、ああ懐かしいなあとほっとして、萩尾先生でわぁと嬉しくなった。(でも個人的には「ゆれる世界」を推すんだけど)そのあとは普通で、最後でどーんと重苦しくなった。凄く才能がある人だと思うんだけど、題材が生々しすぎて……
日本のSF、本当に元気になったのか?
(でも貴志祐介『新世界より』は凄いぞ!)
今日もまた流れゆく……
今日は病院を4軒回った……
(内科、精神科、ペインクリニック、歯科)
今聴いているのは、パール兄弟の『ベスト・レシピ』懐かしい……
今読んでいる本は『寄宿生テルレスの混乱』よくわからん……
最近見た映画
「デトロイト・メタルシティー」
面白そうだと思ったけど、今ひとつ。一番の盛り上がり所が走ってるだけなんて……
全体的なぬるさのせいで松雪泰子の怪演もやりすぎに見えてしまう……
「おくりびと」
いい映画だ。死について適度な距離を持って考えさせてくれる。
でも、峰岸徹本当に亡くなってしまうなんて……
「容疑者xの献身」
思ったより面白かった。ドラマとは雰囲気が違う。
老けてむさい役の堤真一、泣かせてくれる。
松雪泰子、薄幸そうな女性とてもお似合い。素敵でした。
そういえばいきなり変なトラックバックがいっぱいついている。
トラックバック一覧で削除しようとしてもできないよ。なんで?
そういえば月曜日は教育委員会が授業を見に来る。いやだな……
雑誌・アンソロジー
「日本の童話名作選 現代篇」講談社文芸文庫(2007年12月)
- 別役実「淋しいおさかな」
- 野坂昭如「凧になったお母さん」
- 阪田寛夫「桃次郎」
- 舟崎克彦「コジュケイ」
- 山下明生「はんぶんちょうだい」
- 皿海達哉「花がらもようの雨がさ」
- 竹下文子「月売りの話」
- 舟崎靖子「ひろしのしょうばい」
- 灰谷健次郎「だれもしらない」
- 三木卓「ぽたぽた」
- 三田村信行「おとうさんの庭」
- 角野栄子「ひょうのぼんやりおやすみをとる」
- 那須正幹「まぼろしの町」
- 柏葉幸子「仁王小路の鬼」
- 川島誠「電話がなっている」
- 矢玉四郎「半魚人まで一週間」
- 森忠明「少年時代の画集」
- 池澤夏樹「絵はがき屋さん」
- 内田麟太郎「くるぞくるぞ」
- 江國香織「草之丞の話」
- 末吉暁子「黒ばらさんと空からきた猫」
- 斉藤洋「氷の上のひなたぼっこ」
- 森山京「あしたもよかった」
- 岩瀬成子「金色の象」
- 岡田淳「ピータイルねこ」
- 村上春樹「ふわふわ」
私的ベスト3
1「少年時代の画集」、2「電話がなっている」、3「金色の象」